大輝はわたしの身体に丁寧に愛撫を重ねる。
ベルトに手をかけて、わたしの方から大輝へキスをした。

別に真剣じゃなくたっていい。今までだってそうやって生きてきた。
ホストとだって寝たし、家に泊めてもらう男も沢山いた。男たちはその代わりにわたしの身体を要求してきた。
大輝がわたしを好きであろうがなかろうがそんなの関係ない。飽きたら捨てればいい。
ゴミみたいに生きてきたんだから、それに戻るだけ。



「ハァ、ハァ……」


大輝の息が少しだけ上がってきて
額にうっすらと汗をかいている。

ずっと見ている。目を離さずに、ずっと。だからわたしも大輝のその瞳から目が離せなかった。
両足を拡げて、それを持ち上げた時、その動きがぴたりと止まった。

わたしの目から決して逸らさなかったその視線。



「あんたの言う通りかもね。
あたしの猫なんかじゃ…ない…。
いつか別れが来る…」



鋭い視線が、わたしをとらえて離さない。


「いざとなれば盗んでくるか、あの琴音様とかいう可愛くない猫を」


「アハッ、それは嬉しいかも」


「でもこんな俺でもお前の欲しがる物の中でどうしても用意できない物がひとつだけある」


「あはは、何でも手に入る天下の西城大輝様にも?それって、なぁに?」