11.晴人「嫉妬という感情は劣等感から生まれる」








「琴子?!」



この辺のマンション内で止まっているには
どこか浮いている高級車。
通行の邪魔だ、と歩きながら横目でチラッと見て見ると
助手席には、あのよく目立つ金髪。


そして運転席には、20代後半くらいか?整ったクールな顔立ち。
…どこかで見た事があるような


?!!!!


その瞬間
その男は琴子の頭を掴んで、キスをした。



どうしてこんな行動に出たのか
頭をきちんと整理出来ていたのならば、俺はきっとこんな事をしなかった。
黙って見過ごす事だって出来たはずだ。



無理やり琴子を助手席から引っ張って「何すんだ!」と男に向かって言った。
男は下から切れ長の目を鋭く光らせて、俺を睨みつけた。 無駄な部位なんてどこにもない。男から見ても綺麗な顔をしている男だった。

少なくとも
今俺が腕を掴んでいる、この小さい女の子よりかはよっぽど。