【完】ボクと風俗嬢と琴の音


「あーはっはっはっはっ!」


家に帰ったら琴子の笑い声。
ジャージ姿にスッピン
風呂上がりらしく、頭にタオルを巻いて、顔にパックをつけながらアイスを食っている。
そしてテレビのお笑い番組を見て、大笑いしている。



その横で琴音は寄り添っていて
俺が帰って来てこちらを少しだけ見たけど、すぐにツーンとそっぽを向いた。


そりゃないよ。
寂しいじゃない。



「あ、ハルおかえりぃ~
ねぇこれ見て超面白いよー
ぎゃはははっは」


「ただいまー、琴子頭乾かさないと風邪ひくぞ」


「わかってるよぉ~。アイス食べたら乾かすもーん。
あはっはっはっ」


山岡さんとは違う
すっぴんに眼鏡姿。
カラコンを外すと目が小さくなるのがコンプレックスらしく
奥二重を毎朝アイプチで幅の広い二重にしている。



でも俺は、琴子のキリっとしたつりあがった奥二重
嫌いじゃない。
そのビー玉みたいな瞳は、琴音によく似ている。



「なんかー琴音ちゃーん最近俺に冷たくありません~?」



琴子に寄り添う琴音の両頬をむぎゅむぎゅっとすると
琴音は迷惑そうな顔をした。