一緒に暮らしているのに他人の振りってなんて難しいんだろう。
何か話せばボロが出そうだし
だからって何も話さなかったらそれはそれで感じの悪い奴だし。
「井上さんは彼女さんいらっしゃるんですか?」
「いえ、俺はいないですよ」
「ええー?!すごくモテそうですよね」
「いやいや、全然恋愛に関してはからっきし駄目な感じで」
「でも、モテそうだよね?!」
ユカリがわたしへ同意を求めてきた。
…それは困る…。
「そう、ですね…かっこいい…ですもんね」
ブッと吹き出す声が聞こえた。
背中を向けたハルの肩が僅かに震えている。
「なぁーによ。あんた今日本当におかしいよ?
あァーーーー!もしかして琴子、井上さんがタイプなのー?!」
「はぁ?!止めてよ!
あたしはどちらかというと可愛い人が好きだし
家で家事とか趣味でやってるようなタイプは苦手だし!」
ハルはまた背中を向けた。
ユカリと優弥さんは変な顔をしていた。
「や、何かイメージで。
きっと家とか綺麗なんだろーなって…」
「すごいなぁ琴子ちゃん!よくわかるね。
こいつってこんなデカい図体して、家とか掃除するのめちゃくちゃ好きでさー。
休日何してんの?って聞いたら掃除とか。
家に遊びに行った時も埃ひとつないんだから主婦かよって」



