【完】ボクと風俗嬢と琴の音


朝から食欲はなかった。

だから互いに向き合ってコーヒーを飲んでいたところ。
そして琴子がしつこく聞いてくるから、昨日の山岡さんとの一連の流れを話していたところ。



「やっぱり連絡は昨日のうちに返しておくべきだったね。
きっと彼女返事が返ってこないってモヤモヤしてたと思うよ」


「だって昨日なんかすげー眠くて…
それに今返したんだからいいだろ?!」


「女はマメな男が好きなのっ!!
せっかくいい雰囲気で終わる事が出来たんだから
まぁ次のデートも早急にアポ取るべきだねっ!」


「なんか次は山岡さんのおすすめのお店に行くって言っていたよ。
その方が肩の荷がおりる…。
今回は琴子がいてくれたから山岡さんの気に入ってくれる店に連れて行ってあげれたけど
俺ひとりだったら…きっと無理だったと思う。
実際フレンチとかワインとか俺全然分かんないし…緊張しすぎて味なんか少しも分からなかったし…」


「大丈夫だよ。
今は分からなくても互いの事を知って行けば
少しずつお互いの素の部分も見せあっていってさ
そうしたらハルの素の部分だって山岡さんはきっと好きになっていってくれるよ」


「そうかなぁ………」