…あんなん事故だよ。
寝ていたし、琴子に意識はなかった。
不慮の事故。



…今日は、もう寝よう。シャワーは明日の朝浴びればいい。
着ていたスーツのワイシャツを洗濯籠に投げ捨てて、ジャージに着替えてリビングの電気を消し、自分のベッドへ転がり込んだ。



琴音は、俺のベッドで丸まって寝ていた。



布団を頭からかぶって、さっきの出来事を頭の中で整理する。
何を意識している。何ドキドキしてんだ。ばかじゃね~の!!
琴子には意識もなかったし、そういう気持ちが少しもないのなら、あれはキスとは呼ばない。



物理的に唇と唇が当たっただけで
あれは接触だ!!!



頭の中でさっきの記憶をデリート。消し去ればいい。




ピロン。その時枕もとの携帯が鳴って、思わず布団の中で飛び上がる。
その物音に迷惑そうに寝ていた琴音は首だけをこちらへ向け、見つめた。
暗闇の中で光る瞳が「うるさい」と言っているようで



メッセージは、山岡さんからだった。