「え?」 あたしの声に、矢島悠斗はこっちを向く。 「西沢さんは知らないんだね。結構何人も知ってるから、てっきりみんな知ってるもんだと思ってた」 矢島悠斗は笑った。 「俺、西沢さんより二つ上なんだよ」 「そうだったの?」 「見えない?」 「言われてみれば、そう見えるかも知れない」 なにせ、今まで同い年と考えていたから、急に印象は変わらない。でもたしかに、同級生の男子よりは大人っぽい。