思いの他、早く海岸に出た。

海岸沿いに走る道路は、意外に車通りが少ない。

道路に沿って防波堤まで歩いていた時、一台のバイクとすれ違った。

遠のいたと思ったバイクの音がまたすぐに大きくなって、あたしの5メートルほど先で停車した。


「西沢さん」


ヘルメットを着けたまま振り返ったのは、矢島悠斗だった。