きっかけはなんだったろう。 夏休みの登校日の日。 学校が終わって、太陽がこれでもかというほど陽射しを降り注がせる中、あたしは家に帰っていた。 そんな時、住宅地にはなんだか不釣り合いなブーゲンビリアが一輪、道に落ちているのを見つけた。 目の覚めるような濃いピンクの花びらが無機質なアスファルトの上で揺れている。 あたしは、家を目指すことをやめて海に出る道を辿った。