春夏秋冬

サナと別れてから、静かな夜道を一人歩く。

ちらちらと頭の中をよぎるものがある。


夕暮れ。美術室。テレビン油の匂い。

そして。

矢島悠斗の横顔。


あれはいつだったろう。

サナがいなくて、暇つぶしに寄った美術室で矢島悠斗と何気ないおしゃべりをしていた。

前後の話の内容などまったく覚えていない。

ただ。


――――俺、怖いんだよね。


矢島悠斗はたしかにそう言った。


――――サナを引きずりこんじゃいそうで。