隣の幼なじみ野郎。

そして遊馬は、来る者拒まずな奴だ。

特定の彼女は一切作らない。でも、女の子が遊ぼうと言えば遊ぶし、キスしてと言えばキスするし、抱いてと言えば抱いてしまう。


別に遊びでも、それでもいいって、たくさんの女の子が遊馬に言い寄るのを何度も見てきた。






「ん?なに?」


じっと見つめていたのがばれてこちらを見返されたから、「別に」と慌てて目を逸らす。


見惚れてた、なんて口が裂けても言ってやらない。

でも今の首を少し傾げる動作ですら、何だか変にキマッてるっていうか。本当、非の打ちどころがない奴でつくづくむかつく。



「変な奴だなあ。……あ、なあなあ、今日の夕飯さ、俺あれ食べたい、かぼちゃが入ったグラタン。」


「は?グラタン??」


突然話題を夕飯の話に変えられて、再び遊馬の方を向く。