隣の幼なじみ野郎。


私は隣を歩く遊馬に視線を向ける。

5月の爽やかな風が遊馬の柔らかそうな髪の毛を揺らす。



いつも一緒にいるから忘れかけるけど。遊馬って、めちゃくちゃカッコいい顔してるんだよなあ。


そもそもあの美姫先輩に抱いてって言わせるほどイイ男なんだよな、すごいよね。




遊馬はとにかく、昔から女の子によくモテる。それ故に、女絡みの話が後を絶えない。

確かに、遊馬って女の子に好かれそうな容姿をしてると思う。


すらっとモデルみたいに脚が長くて、身長が165センチと女子にしては高めの私と並んでも、頭2つ分くらい差がある。色素の薄いオリーブ色の髪の毛と同じ色の目。すっと通った鼻筋。形の整った眉毛。近くで見たってすべすべの毛穴1つ見当たらない肌。どのパーツを取っても申し分ないくらい整っている。


おまけにこいつは、認めたくないけど、たぶん根っからの天才肌なんだ。勉強をやらせてもスポーツをやらせても卒なくこなす。小さいころに少しだけピアノをやっていたりしていたのが今で活きていて、ピアノが弾けたりギターをかき鳴らしてみたりと、音楽の才だってある。こいつのオールマイティな様はもはや清々しい。


必死にやらなくてもそれなりにやれば馬鹿みたいな才能を発揮しちゃう、容量がよすぎる男。まあ確かに、女の子が放っておかないのも納得がいく。