「あのっ、ありがとう!」
店を出て歩きはじめた拓馬は、後からの声に振り返った。
「チーズケーキ、譲ってくれたんでしょう?」
柔らかく微笑んだ彼女に思わず目を奪われ固まること数秒、「ほ、本当にお金がなかったからっ」とぶっきらぼうに答える。
猫みたいに少し釣りあがった目を迷ったようにキョロキョロさせて、彼女はまた微笑んだ。
「そうなんだ。私、ここのチーズケーキ食べるの初めてなんだ。そこの公園で、一緒に食べない?」
拓馬の心臓は急に忙しくなったけれど、彼は平静を装って頷いた。
「……い、いいけど」
彼女は華という名前で、高校一年生だった。
拓馬と華は時々ショコラ・デ・ココや公園で会って、他愛もない話をするようになった。
そうして一年が過ぎて……。
店を出て歩きはじめた拓馬は、後からの声に振り返った。
「チーズケーキ、譲ってくれたんでしょう?」
柔らかく微笑んだ彼女に思わず目を奪われ固まること数秒、「ほ、本当にお金がなかったからっ」とぶっきらぼうに答える。
猫みたいに少し釣りあがった目を迷ったようにキョロキョロさせて、彼女はまた微笑んだ。
「そうなんだ。私、ここのチーズケーキ食べるの初めてなんだ。そこの公園で、一緒に食べない?」
拓馬の心臓は急に忙しくなったけれど、彼は平静を装って頷いた。
「……い、いいけど」
彼女は華という名前で、高校一年生だった。
拓馬と華は時々ショコラ・デ・ココや公園で会って、他愛もない話をするようになった。
そうして一年が過ぎて……。

