春学恋愛部

海斗、1位になったらいいなぁ。
応援しなくちゃ。

そんなことを考えていた柚果は、気づかないうちにニヤニヤしてたらしい。
鈴果が顔を覗き込んで、イタズラな笑みを浮かべた。

「柚果、先輩の応援しようと思ってるでしょ。でも、負けないよ。ほら、1組のアンカーは、正樹くんだもん」
2年1組と3組は1点差で1位争いをしている。リレーは最終種目だから、これで1位が決定することになる。

柚果もドキドキしながら、成り行きを見守ることにする。

「ヨーイ、スタート!」
第一走者が走り出した。リレーの準備でクラス毎に集まる。

1位は3組。2位が1組だ。
柚果は真剣な表情で見つめる。

海斗と正樹にバトンが渡った時、二人はほぼ同時のスタートだった。

そしてどちらも抜かすことが出来ず、ほぼ横並びでゴールする。