春学恋愛部

ギリギリ一位でゴールした二人。
柚果は地面に降ろされた。

「はぁっ…はぁっ…お前なっ…」

珍しく息を切らした海斗の目がつり上がっている。
「危うく負けるとこじゃねーか!何やってんだよ!」

「だって……海斗が出るなんて知らなかったし、競技なんだから私のこと待ってなくても……」

柚果が口ごもると、舌打ちをしながら海斗は柚果の手を強く引っ張り、運動場から連れ出した。