「お前もう、痩せんなよ」
柚果の肩を抱き寄せたまま、海斗が言った。

「え…でも…?」

「これ以上痩せたら、もともとない胸が余計になくなる上に、他の男が寄ってくるだろ。それに流行りだろうけど、そーゆう胸の開いた服着んなよ」

そっぽを向いて、怒っているような声を出す海斗。

ん…顔が赤い…?
まさか、焼きもち…なわけないよね?と思った柚果が、心の声を出してみる。

「それって、焼きもち…?」

「はぁ、誰が?!お前に?ふざけんなっ」
観覧車が一番下に着き、係員がドアを開けた。

「はーい、お疲れ様でしたー。
また来て下さいねー」

話はうやむやになってしまったけど、柚果は思っていた。

本当は海斗って…照れ屋さんで可愛いのかも?