「じろじろ見てんなよ、行くぞ」

誤魔化すように言って、歩き出す海斗.。その後自分のことを話すことはなかったけど、柚果は満足だった。

ほんの少しだけ、素のままの海斗が見れたような気がしたから。

コンビニの角の分かれ道で、「じゃあな」と海斗が別の道へ歩き出す。

「あの……先輩……、また、誘います!」

振り返ることなく手を振る海斗を見つめながら、柚果はそれが肯定だと勝手に解釈して、鼻歌を歌いながら帰宅した。