確かに二人の言う通り、露出は少なく大人しめで、元気ではつらつとした柚果のイメージとは違う。

「たまには上品にしてろってことじゃないのかな。私はいいと思うけど」
呟いて大きな鏡に向かう柚果。
海斗の見立ては正確で、サイズはもちろんぴったりだ。

二人は「うーん」と唸りながら上から下まで柚果のことを見つめた後、二人で何やら話しながらドレスの山の中に消えていく。

「うん、いいよね」と鏡に向かって後姿を確認する。

慣れないヒールは歩きにくいけれど、たまにはいいかな。
一人納得して試着室に戻ろうとすると、鈴花に腕を引っ張られた。

「はい、これ」無理やりドレスを押し付けられた柚果が
呆然としていると、いつに間に移動したのか華が試着室から手招きする。

「はい、靴も用意しといたから着替えてね」