「そ、そんなんじゃないと、思うけど……」と否定してみるものの、頬が赤くなっているのは明白だ。

「なーんだ、私たちはおまけってことね。
それなら安心して楽しませてもらおーっと」

苦笑いをしながらケーキを口に放り込む鈴花。

文化祭以来海斗の過保護っぷりは重々感じている。
掃除当番の鈴花を待っていた正樹が柚果と立ち話をしていたら、海斗が彼女を引っ張って行ったとも正樹から聞いていた。

「うん。だから衣装選びも楽しもうね」
二人は頷いて「そっち一口ちょうだい」なんてケーキの交換を始めた。