たくさん走って、たくさん躓いて、、。
どこまで走っても君だけは笑わなかった。


 あぁ、今日も仕事に行かなきゃいけないんだ。起きなきゃいけないのに、ここが心地良すぎてなかなか抜け出せない。枕に引っ付いた重い頭をゆっくり起こして伸びをした。なんだか懐かしい夢を見た。気がした。見たことのある景色で、感じたことのある気持ち。
 まだスッキリしない頭でテレビをつけた。僕とは全く違うスッキリした顔で、天気予報のお姉さんは流星群の紹介をしている途中だった。十年に一度の流星群らしい。高校生の時にみたんだっけ。あれから十年も経つのか。もしかしたら、高校生の時に願いをかけた星がまた流れてくるかもしれない。そんなことないか。当たって砕けたのかな、ほかの人の願いをもってちがうところに飛んでいったのかな。そうだ、こんなこと考えてる場合じゃない、僕には時間がないんだった。