放課後の部活勧誘の時に軽音部を覗いたわたしは、驚いた。新入生が沢山いてその奥ではゆうきさんを含む軽音部メンバーが、各々の楽器をいじっていた。
「あのぉ、演奏とかしないんですかー?」
とある女子生徒が、質問するとゆうきさんは
「チューニングとかしっかりしとかないと音楽にならないからね。整備は必ずしないといけないんだ」
そういうと質問した女子生徒は
「そんなのテキトーでいいじゃないですかー。早く演奏聴きたいんですけど!」
それを聞いたゆうきさんは
「ここには本気でバンドをしたいやつが集まるところだ。ただ演奏を聞くためだけに来たやつは帰ってくれ」
そう冷たく言い放った。でも私はゆうきさんとバンドをしたいと思ったから残った。でも残ったのは私を含む数人だけだった。
「お前らは本気でバンドをしたいと思ったのか?」
そう聞かれて私は
「文化祭の時にゆうきさんたちのバンド演奏を聞いて皆さんとバンド活動をしたいと思ってここに来ました。」
ついそう言ってしまった。
「まじ!?それは嬉しい!ありがとな!!」
それを聞いたゆうきさんは目を輝かせた。


後にあんなことになるとも知らず私は、そのまま軽音部に所属することになったのだった……