肩を強く揺さぶられて覚醒した。


なんだか頭がガンガンする。



「ああ、よかった……」



ぼやける視界には心配した様子のシンデレラの顔。



「……手間のかかるガキだ」

「あんな部屋にこの子を置いておくからよ。
日が差し込むのに閉め切ってるなんて当然こうなる」

「こいつが日中水を飲まずに日の当たるソファーの上で寝てたのが要因だろうが」

「文句言わないで、運んだのは剛さんなんだから」



俺が横になっていたのは黒革のソファーの上、起き上がると同じ建物内とは思えない綺麗な部屋の内装が目に入ってきた。


ここは帝王の自室だろうか。


その人はガラスのテーブルを挟んで向こう側に足を組んで座っている。


ところで俺は閉め切った部屋で熱中症気味になっていたらしい。




「回復したならさっさと追い出せ。ここはお前と俺の部屋だ」

「話が終わったらね。
……気分はどう?大丈夫そうだったら飲んで」



険悪な雰囲気をかもしだす若頭。


恐ろしいと唾を飲み込んだが、意識がはっきりしないせいか竦み上がるほとじゃなかった。


そっと渡されたペットボトルのスポーツドリンクを飲み干した。