続・闇色のシンデレラ

その女は突然この世界に激震をもたらした。


西を潰す手立てが生きていた。


その秘密を暴いた極山は、その女をどうにかして手に入れようと狼煙(のろし)をあげた。


利用するもよし、抹殺するもよし。


けれど女はあの帝王に守られている。


下手に手を出して失敗すれば、最悪の場合抗争になる。


だから魔王はつながりを捨てることを決めた。


確実に仕留められる誰か、を生贄にして、シンデレラを消すことにしたんだ。



その残酷な計画に白羽の矢が立ったのが───兄貴だった。


神木会は極山会の二次団体。


それほど強い組織ではないが、先代のよしみで幹部として置いてもらっていた。


簡単に説明すればお荷物というやつだ。


その負い目を突かれ、兄貴は今の地位を保ちたくばシンデレラを殺せと脅され、結果帰らぬ人となった。


その後約束は破棄され、神木は一方的に絶縁されたというのに。





そして何もかも失ったあの日。

俺はあの日を鮮明に覚えている。