続・闇色のシンデレラ

「怒らないで志勇、聞いて。
凛太朗を本家に連れていこうと思うの」

「あ?ガキは司水のとこのチビで十分だ」

「でも、お母さんに見てもらったらみんな納得するかなって」



思い通りにならないだけでいらだつ俺は子どもだなと考えながら、なるほどと胸中であいづちを打った。


おふくろが生まれ持っている第六感は、長年オヤジに連れ添って様々な人間を見てきた成果か、鋭さを増している。


その能力は多少俺にも継がれているから、神木のガキが悪に染められていないことは分かる。


たぶんおふくろは白というだろう。

しかし。



「そこまで肩入れする必要あるのか」



壱華が積極的に他人を助けようとするとは珍しい。


悲運の少年にそう思わせる価値があるのか。


それともこれが母性本能、というやつだろうか。




「……わたしが甘いだけっていうのは分かってる。
でも、あの子に悪いものは感じなかった」

「本家は託児所じゃねえんだぞ」

「そうだけど……あ、ほら。今までちゃんと憂雅くんのお世話できる人がいなかったし」

「今考えたろ、それ」

「あと、本家の方が病院に近いし?」



おそらく後者だろうが、分かりやすく目を泳がせたところで咎めるつもりはない。


けれどもやもやと渦巻く感情をを抑えられていないのは確かだった。