続・闇色のシンデレラ

SIDE 志勇



救いの手を伸ばした壱華を、脱力してただぼーっと見つめるガキ。


これは『落ちた』と感じた俺は、壱華を連れて部屋を去る。


後のことは剛に任せるとして、俺達は執務室に戻ろうとエレベーターに乗った。



「志勇、嬉しそうね」

「ん?ああ……」



それにしても鼻が高い。


突然の襲撃者の正体を暴き、そいつをものの数分で説き伏せた壱華。


そんな壱華の聡さに度肝を抜かれた組員どものあの表情。


当たり前だ、壱華をそこらの女と比べてもらっては困る。


だが、この一件で『闇色のシンデレラ』を改めて俺の隣に立つにふさわしいと認めたはずだ。


嬉しいことだが他の男の目に晒されたのは複雑な心境だ。


が、嫉妬などしている場合ではない。


ひとつ気がかりなことがある。




「壱華」

「なあに?」




静かな部屋の中。普段となんら変わらなく振り返る壱華。


俺はその華奢な身体を正面から抱きしめた。







「無理しやがって……」