「お前さえいなければ兄貴は死ななかった!
お前が生きていたから俺の家族は殺されたんだ!
お前なんて存在しなければ!組は潰れなかった!」
心臓を鷲掴みされた感覚だった。
根本的に存在意義を否定されたことより、センチメンタルな訴えに心が軋んだ。
「はっ、どうせお前は覚えてないだろ。お前を殺すため鉄砲玉として送り出された後、無残に殺された男のことなんて!」
……やっぱり、そうか。
彼の言葉にざわつき出した部屋の中で冷静に答えを導き出した。
自棄になって息切れをするほど叫んだ少年の瞳を見つめ、抑揚ない口調で呟く。
「……はっきり覚えてるよ」
その声を鼓膜に捕らえ、彼はぴたり、動きを止めた。



