「壱華、いいのか」
「平気、志勇がいてくれるから」
捕らえた少年を監視している部屋の扉を開ける。
本当は志勇はここにひとりで来て尋問するつもりでいた。
だけど相手は大人より頭ひとつ分小さな子ども。
情が動いたというのか、他人事でない何かを感じたのだ。
そうしてその部屋を訪れると、10人ほどの組員に囲まれた小さな体が、後ろ手に縛られて地べたに座らされていた。
わたしを見かけた組員は瞠目し、何をしに来たんだと眉をひそめる者もいる。
だけどそんなものには目もくれない。
わたしは強い憎しみの目をわたしに向ける彼に釘付けだった。
志勇はわたしの肩を抱いて目の前まで来させると何も言わず視線を絡ませる。
これは質疑する権利を譲ってくれるということだろう。
だから迷わず口を開いた。



