続・闇色のシンデレラ

「……志勇」

「なんだ」

「……同じ音」

「音?」

「撃たれた銃と……同じ銃声」




銃に関しては全く無知だ。けれどきっと間違いない。


それを耳にした志勇は眉間にシワを寄せて一時頭を巡らせる。


そして不意に車のドアを開けた。


わたしは構えて怒号とわめき声を想像したけれど、もう辺りには閑静が取り戻されていた。


志勇は安全だと確認すると、近い方のドアから一旦車の外に出て、後ろから回ってこっち側のドアを開け、わたしを車の中から抱き上げる。


わたしはその肩にしっかりと捕まった。




「おい」




だいぶ静かになった人の輪に向かって帝王は声を放つ。


彼はそれだけで全ての視線を自分に注目させた。



「そいつを縛り上げて部屋にぶち込んどけ。俺が来るまで何もするな」



命令を下すと、駐車場奥の裏口からビル内に入るつもりなのか身を翻す。


背中を見せたということは、横抱きにされて肩にしがみついているわたしは彼の背後が見える。


そこで首を回し、慎重に人だかりを見つめた。




「へい、連れてけ」

「放せ!くそっ……」



視界には組員2人がかりで後ろ手に捕らえられ、立ち上がる小さな人影。


犯人は唇を噛みしめこちらを睨みつけていた。


わたしはその正体に衝撃を受け、しかしながら心のどこかで安心した。





認識した犯人の姿は中学生くらいの男の子だったからだ。


愕然とした。あんな子どもに銃を扱わせていたなんて。


ただ、あの家族の誰かでなかったのは不幸中の幸いだった。