「お取り込み中、すいません」



扉を開いて現れたのは剛さん。



「車の手配ができたんすけど」

「剛さん聞いてください!この強情っぱりがわがままな横行ばっかり働いて」



ああ、待たせていたなんて申し訳ない。


そう思って訴えながらデスクから降りて歩き出したのに、志勇は襟首をがしりと掴みそちらに行けないようにする。



「そんな事言って本心じゃいじめてほしいんだろ?
もっと目立つ場所にこれでもかってくらいキスマークつけてやろうか」

「時間ないんだからふざけないで」

「は?俺は冗談はいわない男だ。できることならお前の身体中にマーキングしてえよ」

「この変態狼!」



そんなこんなでまた言い争いに発展。


しばらくして、出入り口付近で待っている剛さんの物悲しい声が響いた。




「あの、病院予約してるんで、お早めに……」