続・闇色のシンデレラ

「んー、今食べたら晩ご飯が入らなくなっちゃいそうだから、食後にいただきます。
でも気になるから、ちょっと見たいです」



一旦遠慮した彼女だったけど、うきうきして開けてほしいと目で訴える。


やっぱりこの子は男を立てるのが上手っていうか、人をよく見てる。


プレゼントを遠慮されたら気に入らなかったのかなって考えたりするけど、興味がある素振りを見せてくれたら安心するよね。


それをごく普通にやってのける彼女に感心しながら白いケーキの箱を開けた。



「わあ、可愛い……キラキラしてる!」



すると目を輝かせる壱華ちゃん。


そういや、この子は甘党だったけ?


若い子みたいにはしゃいじゃってさ、可愛いったらありゃしない。


……いや、若い子みたいにって、まだ18歳なんだから普通じゃねえか。


どうも彼女は大人びていて時々本当の年齢が分からなくなる。


気を取り直し箱の中身を指さして説明。




「えっとね、これが季節限定の桜のムース、こっちが豆乳のロールケーキと、フルーツパウンドケーキ。
あ、桜のムースは涼のオススメね。
あとパウンドケーキにラムレーズン入ってるけど、加熱してアルコール飛んでるから妊婦さんが食べても平気なんだってさ」

「そんな配慮までしてもらって……ありがとうございます。涼と一緒に選んでくれたんですか?」

「いや、さっきまで潮崎組にいてね。あいつにオススメのケーキ屋教えてもらったからそこで買ってきた。
あいつ食い意地張ってるから、美味しい店たくさん知ってんだよな」



あまり表情を顔に出さない壱華ちゃんが喜んでくれたのが嬉しくて、つい饒舌になって詳しく話す。


すると計算なのかそうでないのかは定かでないが、賢いシンデレラは優しく笑ってこう言った。




「颯馬さんって、涼の話するとき、生き生きしてますよね」