続・闇色のシンデレラ

「あ、おかえり」

「おっ、理叶じゃねえか」



潮崎のオヤジの次に現れたのは涼の弟。



「お久しぶりです、颯馬さん」



こいつは抗争の引き金に重症を負い、先月大阪の病院から退院したばかりだった。



「腹の調子はどうだ?」

「平気です。お気遣いありがとうございます」



話を広げると引き締まった顔で会釈する。


お硬い対応だこと。昔から理叶は真面目だな。


……真面目すぎるが故に、相方が()呑みにした嘘を信じてしまったのか。




「光冴、お前はもう動いていいのか?」



半歩後ろに立つ理叶の相方に視線を滑らせると、奴は一瞬肩を震わせる。


俺が話しかけたのがそんなにびっくりしたのか。


「はい、大丈夫です」とだけ言って礼をし、揺れる心境を誤魔化した。