続・闇色のシンデレラ

翌日、火曜日。その日は非番になった。





「それでさ、マジであり得ねえから。
胸をこれでもかってくらいこすりつけて来て……あぁ、今思い出しても鳥肌が!」



俺はストレス発散に、信頼を寄せるある人物に愚痴を聞いてもらっている。



「はいはい、そんなこと言って実は嬉しかったんじゃないの?」

「え?涼だって自分より水尾のお嬢の方が圧倒的に胸デケーから、羨ましいんじゃねえの?」



その人物とは、同じお譲でこんなに性格が変わるのか、と思うほどさばさばした男勝りな性格のお嬢、涼。


涼が経営する美容院は毎週火曜が定休日。


兄貴の思惑通りといったら面白くないが、涼もヒマだというから潮崎組の本家まで遊びに来た。



「……は?」

「ごめん涼ちゃん、今のは俺が悪かった!
反省するから、その湯呑に入れた熱い茶をぶちまけようとすんな!」



そしたら早速、茶を入れてもてなそうとしていた彼女のおつむに雷を落としてしまったが───




「懐かしい光景だ……」




悠然としたよく通る男の声の仲裁に、2人はそろって背筋を伸ばした。