「……分かってたの?」

「ああ、お前の考えてることを察せないほど馬鹿じゃねえよ。
ただ、どうしたらすんなり事を運ばせられるかと考えたら、追い詰めて白状させるしかねえと思ってな」



でも、知ってて白状させたなんて、こんなに悩んだわたしがバカみたい。



「このドS!もっと他にやり方あるでしょ!」



そんな恥ずかしさと安堵で、怒りが爆発。



「あ?もう決まったらいいじゃねえか。泣き顔も見られたしよかったぜ?」

「最低!志勇なんて……」

「嫌いになったか?」



叩いてやろうと思ったけどその手を掴まれてぐい、と引き寄せられる。


もう、こんなわがままで強引な志勇なんか───



「……大好き」



嫌いになれるはずがない。その強引な優しさも含めて全部が大好きなんだ。


ぽつりと伝えると志勇はわたしの好きな笑顔になって、濡れたまぶたにキスを落とした。


こうしてひとりぼっちの戦いはあっけなく幕を閉じた。