「ところでさあ、永遠は誰に似てんの?
いくら二卵生って言っても姉弟には見えないくらい似てないんだよな俺たち」



そう言って刹那の視線は、リビングの中心で飼い猫と遊ぶ永遠に注がれる。

注目されていることに気がついた永遠は猫を抱き上げ、腕の中に収めた。



「私は最近、若い頃のおばあちゃんにそっくりだって言われるよ。
この前写真見せてもらったらビックリするくらい似てた。隔世遺伝ってすごいね。
それに、おばあちゃん美人だから嬉しい」



嬉しい、と目を細めて笑う永遠は純粋なまま素直で優しい子に育った。

その性格に見合う朗らかで綺麗な笑顔。

その笑顔をみる度、我が娘ながら世界一可愛いと思う。



「そうね、おばあちゃんは今も昔も綺麗だもんね。
出会った頃はこんな綺麗な人がいるんだって、びっくりしたなぁ」

「なに言ってんの?母さんはもちろん、荒瀬の家系みんな美人じゃん。
けど、兄弟で一番母さんに似てるのが絆ってのが残念だよなぁ」



刹那は意地悪く笑うとリビングの出入口の扉を見つめる。

するとタイミングよく誰かが顔を覗かせた。