その夜、寝室に入った志勇はなぜか元気がなかった。



「……」

「志勇、どうしたの?」

「……した」

「え?」

「やらかした。あれはどう考えてもやりすぎだ」

「刹那のこと?」

「あぁ……刹那に嫌われたかもな」



普段子どもたちを甘やかす志勇にしては多少手荒だと思ったけど、やっぱり気にしてたんだ。



「ぶっ、ふふっ」

「なんだよ、なに笑ってんだよ壱華」

「だって、あの刹那がそんなヤワなわけないでしょ。
今度はパパにバレないようにするって言ってたよ」

「……さすが俺の子だな」



志勇はため息混じりに笑った。



「明日は目いっぱい遊んでやろう」

「うん、子どもたちはパパのこと大好きだから嬉しいと思う」

「子どもにとっての1番は母親だけどな。
お前はよく頑張ってるよ、いつもありがとな」



そっと抱き寄せて感謝を述べる志勇に頬がゆるむ。

志勇のに励まされると、未来はきっと明るいと前向きになれる。

不思議だなと思いながら、あたたかい腕の中に抱かれていた。