ところが、その次の日。

その日は地方へ出張に行っていた志勇たちが帰ってくる日だった。

パパたちが帰ってくるからと朝から張り切って起きていた子どもたちの熱烈な歓迎を受け、帰ってきた志勇は嬉しそうだった。

これで刹那のイタズラも落ち着くかなと思ったその矢先──。



「うおぉぉ!!?」



中庭で子どもたちと遊んでいた剛さんの声に嫌な予感がしてその場に駆けつけた。



「刹那、なんてことを……!
剛さん、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」



そこにいたのは中庭にある池の中でずぶ濡れになった剛さんと、彼を池に落としたと思われる刹那の嬉しそうな姿が。

昨日叱ったばかりなのになんで?



「ぼくのかち〜!あはは!つよしビショビショ!」

「刹那、謝りなさい!」

「……えー?」



私の大きな声にビクッと肩を震わせた刹那だったけど、強がるように反抗してみせた。



「壱華さん、いいっすよ別に。子どものイタズラですし、それに俺は若のイタズラでこんなの慣れっこ……」

「ダメです、刹那のこと甘やかさないでください!」

「え……」



珍しく感情的なわたしに剛さんは目をパチクリ。

ムキになって声を荒らげるわたしに、楽しそうだった雰囲気は一点、静まりかえってしまった。



「ん?どうした壱華」



するとそこに、組長への報告を終えて志勇が戻ってきた。