……なんて清らかでやさしい気持ちになれる空間なんだろう。
「……おい壱華、どうした」
「え、あれ……」
気がつくと涙が頬を伝っていた。
泣いていることにビックリしたらしい志勇は、わたしが立つキッチンに来てそっと抱きしめてくれた。
「嫌なこと思い出したか?コーヒーくらい俺が容れるから座っとけよ」
「ううん、違うの。嬉しくて……」
「はあ?」
「憂雅くんと絆見てたら感動して泣いちゃった」
「ったく、泣きすぎだろ。明日絶対目が腫れるぞ」
心配してくれた志勇は気が抜けたと言わんばかりに安堵のため息をついた。
「うん。でも嬉しい涙だから大丈夫。
だけど歳をとると涙脆くなるって本当なんだね」
「なに言ってんだ、まだ23だろうが」
「そういう志勇は27歳……もうアラサーか……」
「まだ20代だっての。
遠回しにおっさんってバカにしてんのか?」
ちょっとからかうと志勇はいたずらっぽく笑って指先でむにっとほっぺたつまんでを引っ張ってきた。
「……おい壱華、どうした」
「え、あれ……」
気がつくと涙が頬を伝っていた。
泣いていることにビックリしたらしい志勇は、わたしが立つキッチンに来てそっと抱きしめてくれた。
「嫌なこと思い出したか?コーヒーくらい俺が容れるから座っとけよ」
「ううん、違うの。嬉しくて……」
「はあ?」
「憂雅くんと絆見てたら感動して泣いちゃった」
「ったく、泣きすぎだろ。明日絶対目が腫れるぞ」
心配してくれた志勇は気が抜けたと言わんばかりに安堵のため息をついた。
「うん。でも嬉しい涙だから大丈夫。
だけど歳をとると涙脆くなるって本当なんだね」
「なに言ってんだ、まだ23だろうが」
「そういう志勇は27歳……もうアラサーか……」
「まだ20代だっての。
遠回しにおっさんってバカにしてんのか?」
ちょっとからかうと志勇はいたずらっぽく笑って指先でむにっとほっぺたつまんでを引っ張ってきた。



