side 壱華



「まーま、まんま!」

「ママー、せつながよんでるよ?」

「ありがとう、すぐ行くから刹那抱っこしておいて」



天気がいい日、物干し竿にシーツを干そうと外に出た。

後追い期真っ只中の刹那がわたしの後を追ってきたけど、絆が外に出ないように止めてくれた。

それにしても絆もすっかりお兄ちゃんになったなあ。しみじみ感動していたら部屋の中からカシャ、とシャッター音が聞こえた。

……ん?志勇かな。



「うん、いい写真撮れた。もう本当に可愛いんだからっ!
壱華、後で送っておくね」

「あれ……涼!?なんでここに?」



てっきり家の中で永遠と遊んでくれていた志勇と思ったら、そこにいたのは親友の涼だった。



「やっほー壱華」

「どうした壱華……あ?どっから入った、何しに来た」



爽やかな笑顔でひらひら手を振る涼、その後ろから現れた志勇は大人気なく威嚇。

しかし片腕に愛娘の永遠を抱っこしているのであんまり怖くない。



「愛しの壱華たちと子どもたちに会いに来たのよ、悪い?」

「家族の時間を邪魔すんな」



サプライズで現れた涼は取りあってくれない志勇を見て肩をすくめた。

本家に何か用事があってきたのかなぁ、となんとなく考えていたら彼女はニヤリと笑って口を開いた。



「あら、いずれ私も家族になるってのに、なにその横暴な態度」