続・闇色のシンデレラ

俺は真っ先に琴音さんの部屋に向かいドアをノックした。



「……凛太郎」



琴音さんは俺の顔を見るとぎょっとする。

彼女のまぶたは腫れぼったくてむくんでいる。



「目、腫れちゃいましたね」

「凛太郎のせいだよ……今日は友達と遊ぶ予定だったのに、こんなんじゃどこも行けない」

「じゃあ、俺と一緒にケーキ食べませんか?」

「え?」



俺は持っていたケーキの箱を見せて「コーヒー淹れて来ますね」と、返事を聞く前に部屋を出た。

厨房でケーキをさらに並べてカップとソーサーを用意してコーヒーを淹れた。

再び琴音さんの部屋に入ると彼女は警戒していたけど、押しに弱いから断りきれなくて、結局ローテーブルに向かい合ってケーキを食べることに。



「おいしい……」



無表情でパクリとひと口食べた彼女は目を輝かせる。

よかった、気に入ってくれて。



「でしょ?かわいい外観の洋菓子店なんですよ。イートインスペースがあって、そこで食べるのも良さげだなって感じでした」

「へえ……」

「掘り返したくない過去って誰にでもありますよね。
自分、根掘り葉掘り聞いちゃうところかあって……すみません、今後は気をつけます」

「……うん」



矢継ぎ早に喋る俺に、ケーキを食べながら曖昧な返事をする琴音さん。

……だよなぁ、当然怒ってるよなぁ。