「……あの時と一緒だね」
彼女はカモミールティーを飲みながらぼそりと呟く。
「病院で泣いてた私に、擦ったら腫れちゃいますってポケットティッシュ差し出してくれたの」
「驚いた、覚えてたんですね」
「うん、あの時はなんて親切な女の子だろうって思ってたの。
でもお兄ちゃんに男だったって聞いた時はびっくりしちゃった」
「はは、確かに背が伸びるまでは割と女って間違えられること多かったです」
彼女は喋りながら心ここに在らずだった
憂いを帯びた瞳でカップを見つめているのに、どこか遠くを見ているような虚ろな目。
「琴音さん……あなたはいったい何を隠してるんですか?」
「………」
気になって思わず口に出すと、その後に訪れたのは長い沈黙。
「言えない」
それから、絞り出すような小さな声。
……隠してるつもりなんだろうな。全然隠せてはないけど。
「あの、傷口に塩を塗るようで申し訳ないんですけど、もしかして若のことですか」
「!!?」
尋ねれば予想通りの反応が帰ってきた。
ああ、やっぱりそうか。
この人は今もずっと───荒瀬志勇を愛しているんだ。
彼女はカモミールティーを飲みながらぼそりと呟く。
「病院で泣いてた私に、擦ったら腫れちゃいますってポケットティッシュ差し出してくれたの」
「驚いた、覚えてたんですね」
「うん、あの時はなんて親切な女の子だろうって思ってたの。
でもお兄ちゃんに男だったって聞いた時はびっくりしちゃった」
「はは、確かに背が伸びるまでは割と女って間違えられること多かったです」
彼女は喋りながら心ここに在らずだった
憂いを帯びた瞳でカップを見つめているのに、どこか遠くを見ているような虚ろな目。
「琴音さん……あなたはいったい何を隠してるんですか?」
「………」
気になって思わず口に出すと、その後に訪れたのは長い沈黙。
「言えない」
それから、絞り出すような小さな声。
……隠してるつもりなんだろうな。全然隠せてはないけど。
「あの、傷口に塩を塗るようで申し訳ないんですけど、もしかして若のことですか」
「!!?」
尋ねれば予想通りの反応が帰ってきた。
ああ、やっぱりそうか。
この人は今もずっと───荒瀬志勇を愛しているんだ。



