続・闇色のシンデレラ

夕方、出かけていた琴音さんが帰ってきた。

顔色が悪くて「ああ、お見合い失敗したんだな」ってひと目で分かった。

俺は気になって仕方なくて、自室に戻ろうとする琴音さんと偶然を装って廊下の角でぶつかった。


「おっと……大丈夫ですか?」

「……」



目にはいっぱい涙を溜めて、口はきゅっと固く結んでいる。

……え?泣いてる?あの琴音さんが?



「え、えぇ……どうしたんですか!?」

「う、うう……」



堰を切ったように泣き出した琴音さん。

こんな子どもみたいに泣く彼女を見るのは初めてだから本気で戸惑った。

俺は仕方なくなく彼女を慰めながら自室まで案内して一旦彼女から離れた。



「琴音さん、入ります」



さすがにそのまま放置は可哀想なので、ホットタオルと冷やしたタオル、それからリラックス効果のあるカモミールティーを用意した。

彼女は俺が部屋に入ると慌てたように目を擦った。



「ああ、ダメですって擦ったら。腫れますよ?」

「……」

「はい、とりあえずお茶でも飲んでください。
あとあっためたタオル持ってきたんで、冷たいタオルと交互に5分おきくらいに当ててください。
そしたら血行良くなって腫れにくくなりますから」



コクコク無言でうなずいて言われた通りカップとソーサーを受け取る琴音さん。

なんか、普段とのギャップっていうか……本当に幼子をみたいだな。

ここに来て俺は初めて彼女という人柄への興味が湧いてきた。