「傑作だ!あの冷徹な男がひとりのガキ相手に、なよなよ引き留めようとしやがった!」
「あ、あの……?」
「あ?はは、悪いツボに入っちまって。
相当気にいられてるんだなお前。いやぁ、あの狼に一目置かれてるなんて感心感心」
爽やかに笑う網谷さんは俺の頭をポンポン叩く。
……この人も若と一緒で掴めない人だな。
「いでっ!」
と思っていたら勢いよくガラッと襖が開いて、目にも止まらぬ速さで置物の木彫りの熊が網谷さんの頭に直撃した。
そこに現れたのは怒りで恐ろしい形相の若。
「聞こえてんだよ全部!」
「いってーなこの野郎、聞こえるように言ってんだよバーカ!」
おいおい小学生の喧嘩かよ!
「てめぇ紫音、凛太郎を立派に育て上げねえと本家の敷居は跨がせねえ!
あと凛太郎、すぐ泣きついて帰ってきたら許さねえからな」
「あーはいはい、お前ほんとひねくれてんな。
安心しろよ、俺には人を見る目がある。凛太郎は極道の過酷も生き抜いていけるさ」
「当たり前だ、常人なら耐えきれない苦境を生き抜いてきた男だ。根性は人一倍ある。だから、お前が潰すなよ」
「わかってらぁ」
ったく、仲良いのか悪いのか。
ホント荒瀬の男はどいつもこいつもロクでもなくて───カッコイイや。
新しい主の広い背中はたくましくて、この世で最も尊敬していた死んだ兄と重なった。
「あ、あの……?」
「あ?はは、悪いツボに入っちまって。
相当気にいられてるんだなお前。いやぁ、あの狼に一目置かれてるなんて感心感心」
爽やかに笑う網谷さんは俺の頭をポンポン叩く。
……この人も若と一緒で掴めない人だな。
「いでっ!」
と思っていたら勢いよくガラッと襖が開いて、目にも止まらぬ速さで置物の木彫りの熊が網谷さんの頭に直撃した。
そこに現れたのは怒りで恐ろしい形相の若。
「聞こえてんだよ全部!」
「いってーなこの野郎、聞こえるように言ってんだよバーカ!」
おいおい小学生の喧嘩かよ!
「てめぇ紫音、凛太郎を立派に育て上げねえと本家の敷居は跨がせねえ!
あと凛太郎、すぐ泣きついて帰ってきたら許さねえからな」
「あーはいはい、お前ほんとひねくれてんな。
安心しろよ、俺には人を見る目がある。凛太郎は極道の過酷も生き抜いていけるさ」
「当たり前だ、常人なら耐えきれない苦境を生き抜いてきた男だ。根性は人一倍ある。だから、お前が潰すなよ」
「わかってらぁ」
ったく、仲良いのか悪いのか。
ホント荒瀬の男はどいつもこいつもロクでもなくて───カッコイイや。
新しい主の広い背中はたくましくて、この世で最も尊敬していた死んだ兄と重なった。



