続・闇色のシンデレラ

若は目を泳がせ、貧乏ゆすりをして露骨に感情を表に出している。

……そこまで必要とされている存在だったなんて。

俺は壱華さんに牙を向いた前科がある。だから、そんな風に───家族みたいに想ってくれてるなんて、考えもしなかった。



「なあ、どうするんだ志勇」



答えを催促する網谷さん、渋い顔をする若。

きっとここが俺にとっての人生の分岐点だ。

安寧を求めるか、発展を求めるか。

どちらを選んでも後悔が残るだろう。



「それは俺が決めることじゃねえ。
そうだろう、凛太郎」



だけど、その決定権を俺に託してくれると言うのなら。

俺は畳に座り直し両手を揃え───深く頭を下げた。








「……今まで、お世話になりました」



俺の決断は、荒瀬組を離れること。

もう絆や永遠と刹那には会えないかもしれない。こんな平穏な日々、二度と味わえないかもしれない。

それでも。



「そうか、行くか」

「はい」



男に二言はない。

俺は荒瀬を守るため、この身を捧げる。