応接間の襖を開けると、重苦しい空気が立ち込めていた。

え、すっげえピリピリしてるじゃん。入りづらい。



「凛太郎、座れ」

「はい」



若に座れと言われたのでとりあえず正座した。



「こいつがお前に話があるんだとよ」



こいつ、と言われ不機嫌な顔で親指で網谷さんを指す若。

一方の網谷さんはニコニコと胡散臭い笑みを浮かべている。



「話とはなんでしょう?」



すると、彼のその口から衝撃の言葉が飛び出してきた。



「凛太郎、お前を幹部候補として引き受けたい」

「は?……あ、いえすみません」



幹部候補?何言ってんだ?

俺は幹部相手に怪訝な顔をしてしまった。

失礼な態度をとったと口を塞いだけど悪い空気にはならなかった。



「なあ凛太郎、意味わかんねえだろこいつ」



むしろ同調するように話しかけてくる若に俺の頭は疑問符でいっぱいだった。