side 凛太郎


絆が生まれ、壱華さんは成人して双子が生まれ、俺はもう今年で18になる。

本家の手伝いをして、たまに子どもたちの面倒を見て───そういうのはこれからも変わらないんだろうと、ずっと思っていた。



「なあ、凛太郎っていうガキを知らないか?」



ある日、泥まみれになりながら庭の手入れをしていると後ろから誰かに話しかけられた。

背が高く端正な顔立ちで妙に色気のある男。

えっと、確か……。



「網谷会の、網谷紫音さんですね。凛太郎は俺ですがなんでしょう」

「はあ!?お前があの時のチビか?でっかくなったなあ!
てかよく俺のこと覚えてたな」

「幹部の皆さんの顔と名前は覚えてます。ところで、どうしてこちらに?若頭なら今離れに───」

「お前に逢いに来たんだよ、凛太郎」

「………はい?」



驚いて言葉を失ったその時、ドタドタと大きな足音が近づいてきた。