ふたりの首が座った頃、わたしはようやく甘えるということを覚えた。



「すみません……今日はよろしくお願いします」

「任せなさい壱華ちゃん!今日はゆっくり休むのよ」



日中、子どもたちをお母さんに預けたり、凛に面倒を見てもらったりしてなんとか睡眠時間を確保した。

明日は凛に見てもらおうかな。

だけど凛太郎はもう18歳。荒瀬組の一員として仕事を始める時期だろうし、頼りっぱなしはダメだろうな。



「……あんな素直な子が、ヤクザに染まっていくなんて、ヤダな」



決して綺麗事だけじゃない世界。

それをあの優しい凛太郎に背負わせるというのはあまりにも過酷だ。

そんなことを考えながら、わたしは眠りに落ちた。