出産後は経過も良好で、母子ともに至って健康だった。

赤ちゃんと一緒に病室に移されたわたしはそこで待機していたお母さんと絆に再会した。



「あ、きーくん来たよ」

「あかちゃんだ!」



絆は走りよってくると、興味津々に産まれたての赤ん坊を見つめる。



「永遠ちゃんと刹那くんだよ」

「とあとせつな?」

「うん、そう。これで絆もお兄ちゃんだね」

「えへへ、ぼく、おにいちゃん?」



絆は幸せそうににっこりと笑う。

こんなわたしが、こんな幸せな家庭を持てたことが嬉しくて、わたしはそこでまた泣いてしまった。



「やだ壱華ちゃん泣かないで、私ももらい泣きしちゃうから。
笑顔で写真撮りましょう?ほら、笑って」



お母さんは持参したカメラを構えて写真を撮ってくれた。

こうして目を腫らして撮った家族の写真は、わたしの宝物になった。