「帝王切開かぁ……」 妊娠30週をすぎた頃。 赤ちゃんがふたりとも逆子だったため予定帝王切開になると告げられた。 「不安、か?」 「うん、ちょっとね……って、なんて顔してるの志勇! 死ぬわけじゃないんだから」 でもなぜか志勇の方がわたしより不安そうで。 あの帝王がしゅん、としてるからむしろ笑えた。 「ままー!」 「あっ!こら絆、壱華さんに突撃すんなよ!」 「わかってうもん!」 ダイニングテーブルで志勇と家族会議をしていたところに、リビングで凛太郎と遊んでいた絆がこっちに走ってきた。