「もう、顔から火が出そうなくらい恥ずかしいんですけど」

「颯馬がね『りょうがしんじゃう』って号泣してたのが余計おかしくって。当の本人はしてやったりって感じで誇らしげだったけど」

「もう、その話やめてくださいよ紘香さん!」

「あら、ごめんね涼ちゃん。ふふ、この頃に比べたらあなたもすっかりレディになったわね」

「そりゃ、もうあたし22ですから」



クスクスと笑うお母さんは、腕の中で大人しくしていた絆を高い高いしてあげた。



「きーくん、あなたはどんな子に育つのかしら?ばぁば楽しみだわ」

「……うぅ、まんま?」

「うふふ、なにか喋ってる。かわいいかわいい」



幸せな風景、わたしはそっとスマホでその様子を撮影して、にこやかにその様子を眺めていた。