それを見てなんだかいたたまれない気持ちになった。
まだわたしたちには壁があるのだ。
間にできた深い溝が1年経った今でも埋まることがないのだ。
それはきっと、お互いがどこかに恐怖を感じているから。
「司水さん、ちょっと出かけたいんですけど、車手配していただけませんか?」
わたしは光冴から視線を外して司水さんに話しかけた。
「今から、ですか?ちょっと若いのが出払ってまして……付き人なしで外出となると、許可できませんね」
「そうですか。じゃあ───」
「俺がついていこうか?」
じゃあまた今度、と遠慮しようとすると、理叶が一歩前に出てきて首を傾げる。
「理叶、あなたはこれから会合でしょう。いけませんよ」
ところが司水さんがその提案を止めに入る。
途端に渋い顔になる理叶は、わたしにちら、と目配せしたあと、視線を違う場所に移した。
「……そしたら光冴くらいしかいないな」
「俺……?」
その発言に一番驚いたのは光冴だった。
目を丸くして、それから私の表情を伺うように瞳をこちらに向けた。
しかし目が合ったと思うと彼はすぐに顔を背ける。
その逃げるような仕草に、わたしはなぜか反応してしまった。
まだわたしたちには壁があるのだ。
間にできた深い溝が1年経った今でも埋まることがないのだ。
それはきっと、お互いがどこかに恐怖を感じているから。
「司水さん、ちょっと出かけたいんですけど、車手配していただけませんか?」
わたしは光冴から視線を外して司水さんに話しかけた。
「今から、ですか?ちょっと若いのが出払ってまして……付き人なしで外出となると、許可できませんね」
「そうですか。じゃあ───」
「俺がついていこうか?」
じゃあまた今度、と遠慮しようとすると、理叶が一歩前に出てきて首を傾げる。
「理叶、あなたはこれから会合でしょう。いけませんよ」
ところが司水さんがその提案を止めに入る。
途端に渋い顔になる理叶は、わたしにちら、と目配せしたあと、視線を違う場所に移した。
「……そしたら光冴くらいしかいないな」
「俺……?」
その発言に一番驚いたのは光冴だった。
目を丸くして、それから私の表情を伺うように瞳をこちらに向けた。
しかし目が合ったと思うと彼はすぐに顔を背ける。
その逃げるような仕草に、わたしはなぜか反応してしまった。



